RainyRelaxation BLOG No.007
朝、目を覚ますと雨が降っている。
窓の外は灰色。
屋根を叩く雨の音が聞こえる。
予定はない。
こんな日は、慌てて出かける必要もない。
少しゆっくり着替えて、車を出す。
今日の目的地は温泉。
でも、まだ温泉は開いていない。
それでいい。
まず、喫茶店へ行こう。
できればチェーン店ではない。
その町で昔からやっているような、小さな喫茶店がいい。
コーヒーを飲む。
トーストを食べる。
窓の雨を眺める。
そして10時か11時になったら、
「そろそろ温泉へ行くか。」
雨の日の休日は、そんな始まり方でいい。
雨の朝は、少し古い喫茶店が似合う
晴れた朝なら、目的地へ早く着きたくなる。
せっかくの休日だから、時間を無駄にしたくない。
そんな気持ちになることもある。
でも雨の日は違う。
今日は急がない。
温泉だって、逃げない。
だから途中の町で喫茶店を探す。
昔からありそうな看板。
少し色褪せたテント。
木の扉。
外から中を覗くと、黄色っぽい灯りが見える。
そういう店がいい。
扉を開ける。
コーヒーの匂いがする。
店内は少し暗い。
木のテーブル。
使い込まれた椅子。
壁に掛かった時計。
静かな音楽。
窓には雨粒。
もう、この時点で休日は始まっている。
チェーン店ではなく、その町の喫茶店へ
もちろん、チェーン店なら入りやすい。
駐車場もある。
メニューも分かっている。
どこの町へ行っても安心だ。
でもRainyRelaxationで遊ぶなら、今日は少し違う店へ行きたい。
その町にしかない喫茶店。
店主が一人でやっている店でもいい。
昭和から時間が止まったような店でもいい。
常連らしい人が新聞を読んでいる。
カウンターの向こうでコーヒーを淹れている。
初めて入る店だから、少しだけ緊張する。
でも席に座ってしまえばいい。
「ホットコーヒーとモーニングお願いします。」
それだけ。
旅先で有名店へ行くのとは違う。
知らない町の日常へ、少しだけ混ぜてもらう。
これが面白い。
厚切りトーストとコーヒーでいい
豪華な朝食はいらない。
厚切りのトースト。
バター。
ゆで卵。
小さなサラダ。
そしてコーヒー。
店によってはナポリタンでもいいし、ホットサンドでもいい。
別に「映える」必要なんてない。
むしろ昔から変わっていないような朝飯がいい。
トーストをちぎる。
コーヒーを飲む。
外を見る。
雨が降っている。
急いで食べる理由がない。
もう一杯コーヒーを頼んでもいい。
新聞を読んでもいい。
本を持ってきてもいい。
何もしなくてもいい。
朝から一時間、喫茶店にいる。
それだけなのに、家で朝飯を食べた休日とは少し違う。
一人なら、雨とコーヒーだけでいい
一人で来るのもいい。
むしろ、こういう朝は一人が似合う。
誰かと話さなくてもいい。
窓際の席に座る。
コーヒー。
雨。
本。
新聞。
スマートフォンを鞄に入れてしまってもいい。
外では車が水を跳ねながら走っている。
傘を差した人が通り過ぎる。
それを眺めながらコーヒーを飲む。
何も起きない。
でも、
何も起きない時間を楽しめるようになるのも、大人の面白さだと思う。
若い頃なら退屈だったかもしれない。
50代、60代になると、こんな一時間が妙に贅沢に感じる。
二人なら、今日の予定を喫茶店で決める
夫婦やパートナーなら、最初から予定を全部決めなくてもいい。
コーヒーを飲みながら考える。
「どこの温泉行く?」
「山の方でも行ってみる?」
「昼は蕎麦がいいな。」
「帰りにもう一軒、温泉寄る?」
そんな話をする。
雨が強ければ予定を減らす。
弱くなったら少し遠くへ行く。
面白そうな場所を見つけたら寄る。
朝の喫茶店を、その日の作戦会議室にする。
予定表を家で完成させてから出発する必要なんてない。
その日の雨を見ながら決めればいい。
「そろそろ温泉、開いたかな」
コーヒーを飲み終える。
時計を見る。
10時を過ぎている。
そこで初めてスマートフォンを開く。
今日行こうと思っていた温泉の営業時間を確認する。
もう開いている。
あるいは11時から。
だったら、もう少しコーヒーを飲む。
温泉が開くまで待っているわけじゃない。
喫茶店を楽しんでいたら、温泉が開く時間になった。
この違いは大きい。
会計を済ませる。
外へ出る。
傘を開く。
雨はまだ降っている。
車へ戻る。
エンジンをかける。
そして、
「さて、温泉行くか。」
ここから第二部が始まる。
温泉へ向かう道まで遊びにする
高速道路を急いで走る必要はない。
できれば少し遠回りしてもいい。
雨の海沿い。
霧の出た山道。
濡れた田舎道。
古い温泉街。
普段なら目的地までの「移動時間」だった道が、雨の日は景色になる。
好きな音楽を流す。
昔よく聴いたアルバムでもいい。
喫茶店でコーヒーを飲んだあとだから、気分もゆっくりしている。
目的地まであと40分。
別に急がない。
温泉へ向かっている時間そのものが休日だ。
雨の中で入る露天風呂はいい
温泉へ着く。
服を脱ぐ。
湯へ入る。
そして露天風呂へ。
雨が降っている。
湯船に雨粒が落ちている。
濡れた木々。
霧。
湯気。
屋根から落ちる雨水。
遠くの山は霞んでいる。
晴れた日の露天風呂なら、遠くの景色を楽しむ。
雨の日はもっと近い。
雨粒と湯気を眺める。
温かい湯に身体を沈めながら、冷たい雨を見る。
これは晴れた日にはできない。
RainyRelaxationでは、これを**「雨温泉」**と呼びたい。
雨だから仕方なく温泉へ来たのではない。
雨だから、この温泉へ来た。
そこまでいけば、雨の日はもう外れではない。
温泉から出たら、ちょうど昼だ
ゆっくり湯に入る。
着替える。
外へ出る。
時計を見る。
12時前。
腹が減っている。
さあ、何を食べよう。
蕎麦。
寿司。
鰻。
町中華。
洋食屋。
港なら魚。
山なら蕎麦。
温泉街なら昔からある食堂もいい。
ここでもチェーン店を探す必要はない。
せっかく知らない町まで来たのだから、その町で飯を食おう。
朝は喫茶店。
昼前に温泉。
昼はその町の店。
これだけで、かなりいい休日になっている。
午後は、もう一湯でもいい
昼飯を食べる。
外はまだ雨。
さて、どうするか。
もう一つ温泉へ行くのもいい。
一軒目とは違う湯。
違う露天風呂。
違う雨の景色。
午前に一湯。
午後に一湯。
今日は温泉を二つ入った。
それだけの休日でもいい。
観光名所を一ヶ所も見ていない。
有名スポットにも行っていない。
でも満足している。
そんな旅が、大人にはあっていい。
あるいは、また喫茶店へ
温泉をもう一軒という気分じゃなければ、午後も喫茶店へ行けばいい。
今度は朝とは違う店。
少し古い商店街を歩く。
雨宿りするように扉を開ける。
午後ならコーヒーだけでなく、プリンでもいい。
昔ながらのクリームソーダでもいい。
ナポリタンを追加したっていい。
朝から二軒も喫茶店へ行った。
それの何が悪い。
今日は「雨の日の喫茶店と温泉の日」だった。
それでいい。
こういう遊び方を覚えると、目的地は一つでなくなる。
電車なら、ここから昼酒に変わってもいい
もし車ではなく電車で来たなら、No.006の続きをやってしまうのも面白い。
温泉から出る。
昼飯の店へ入る。
ビール。
日本酒。
外は雨。
もう一杯。
朝は優雅に喫茶店でコーヒーを飲んでいたのに、昼からすっかり酔っぱらっている。
この落差も休日だ。
そのまま二軒目へ行ってもいい。
雨の町をブラブラしてもいい。
帰るのが面倒になったら、宿が取れるか探してみる。
朝には、
「温泉でも行くか。」
だった一日が、
「今日は泊まっちゃうか。」
に変わる。
予定外の休日は面白い。
いっそ泊まれば、雨の夜まで続く
朝の喫茶店。
温泉。
昼飯。
午後の町。
そして夕方。
まだ帰りたくない。
だったら宿へ。
部屋へ入る。
窓を開ければ雨の音。
少し横になる。
夜になったらまた風呂。
酒を飲む。
雨を見る。
朝から始めたRainyの休日が、夜まで続く。
翌朝も雨なら?
また喫茶店を探せばいい。
50代からは、目的地より一日の流れを楽しむ
若い頃なら、
「どこへ行った?」
が旅の中心だったかもしれない。
有名な場所。
絶景。
観光名所。
でも50代を過ぎてからは、
「どんな一日だった?」
の方が面白くなってくる。
雨の朝。
古い喫茶店。
厚切りトースト。
コーヒー。
雨の道。
温泉。
蕎麦。
もう一湯。
そして帰り道。
あるいは、そのまま一泊。
一つ一つは大したことではない。
でも全部つながると、ちゃんと一日の物語になる。
次の雨の朝は、まず喫茶店へ
次の休日。
朝から雨だったら。
家で天気予報を眺めながら、
「今日は何もできないな。」
で終わらせない。
温泉を一つ決める。
そして、その近くにある昔ながらの喫茶店を一軒探す。
温泉が開く時間まで、
そこで朝を過ごす。
コーヒーを飲む。
トーストを食べる。
雨を見る。
そして時計が10時、11時になったら席を立つ。
「そろそろ温泉、開いたかな。」
これでいい。
雨の日は、朝から急がなくていい。
むしろ、急がないから面白い。
雨の朝は、古い喫茶店から温泉へ。
そんな休日なら、次の雨予報が少し楽しみになる。
Rain Is the Reason.


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